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医業経営

医療費における「保険免責制度」についての私見

2005 10 30

医療費抑制の話のうち、将来起こりうる可能性がある「保険免責制度」について、書かせていただこうと思います。

 

 議論は、経済財政諮問会議で「外来受診1回につき500~1,000円を保険適用外とする」という提案に端を発するものです。

 厚生労働省としましては、窓口負担を3割に引き上げた際、改正健康保険法の付則において、「保険給付は、将来にわたり7割を維持する」と明記されていること、国民皆保険制度堅持の立場から、難色を示しているものの、財務省などの強い要請により、「医療制度構造改革試案」に紹介するという形で、掲載しております。(詳しくは、厚生労働省ホームページをご参照下さい。)

 「じゃあ、免責制度ってどんな制度?」ということになりますから、保険免責制度について、説明させていただきます。
 端的に言うならば、医療機関で診療を受けたとき、決められた一定金額は、患者が負担し、残りの金額について自己負担3割の医療保険を適用するという仕組みです。
 
 具体例でご説明します。
 免責額を1,000円とし、医療機関で5,000円の医療費がかかった場合、現行制度では、3割の1,500円を窓口で負担することになります。一方、免責制度が導入されると、免責額の1,000円と、医療保険適用分4,000円の3割にあたる1,200円を合わせた2,200円が自己負担ということになります。

 保険免責制度の特徴は、高齢者など受診回数が多い人ほど負担が重くなるほか、外科手術などよりも、生活習慣病など、長期にわたる通院を必要とする患者の方が負担が大きくなるといった、病状による不公平感が生じることになります。
 
 また、「症状が軽いうちの受診を抑制させ、かえって病状が重くなり、逆に医療費が増加する。」といった問題や、「重病と風邪の初期症状とを混同し、取返しのつかないことになる。」といった判断ミスも誘発しかねない。

 保険免責制度が導入されると、多くの人が医療保険の恩恵を受けることができなくなり、国民年金以上の保険料未納者を生み、国民皆保険制度を崩壊を予測させる。

 医療費に対する消費税の問題もそうですが、国民の命にかかわる問題を、単なる経済的合理性だけで片付けてしまってよいのでしょうか。
 自民党に圧倒的支持をしてしまった「ツケ」が、回って来るかも知れませんね。